4月24日(日)、東京・NHKホールにて、「Asia Music Summit vol.2 feat.Dance masters」が開催された。東日本大震災発生後、芸能関係のイベントもキャンセルが相次いでいたが、そんな中、日本のファンを元気づけるために来日してくれたのが、VANNESS(ヴァネス・ウー)、羅志祥(ショウ・ルオ)、潘[王韋]柏(ウィルバー・パン)、DA Mouth(大嘴巴)、dance flowというアジアのミュージックシーンを代表する5組のアーティストだ。いろいろと暗いニュースが多かった日本に明るい光をプレゼントしてくれた彼らに感謝!とにかくとっても贅沢な一夜だった。
トップバッターは、メンバーチェンジを経て生まれ変わった新生dance flow。2010年4月に台湾でメジャーデビューしたばかりの彼らだが、「dance flow」という名前の通り、高いダンステクニックで注目を集めているユニットだ。
「Asia Music Summit vol.1」にも出演した経験があり、日本でも知名度が急上昇中!vol.2では「feat.Dance masters」のトップを飾るに相応しいセクシーでクールなダンスパフォーマンスで、会場を釘付けにした。曲と曲の合間に「カッコイイね!」「すごーい!」と言い合うファンも多く、今回のコンサートで新たにdance flowのファンになったという人も多いはずだ。後半からは、同レーベルのアーティストであるMinamiも参加。『永遠』を日本語・中国語・韓国語で歌いあげ、「音楽に国境はない」ということを改めて感じさせる素晴らしいステージだった。
続いて、DA Mouth(大嘴巴)のステージに。DA Mouthは、日本人女性ボーカルのAISA(千田愛紗)を中心に、韓国クォーターの台湾人男性ボーカル張懷秋(ハリー・チャン)、歌詞担当のMC40こと薛仕凌(シュエ・シーリン)、日本と台湾のハーフ・DJ板本宗華(チョンファ)の4人で構成されたポップスグループ。HIP HOPをベースにしているが、様々なジャンルの曲を歌っている。グリーンのライトに照らされて、メンバーが登場。近未来的なシルバーの衣装に身を包んだAISAに、会場からは「AISA~!」というアツイ声援が。激しいダンスナンバーが続き、会場のボルテージは一気に高まった。
ラストに、青山テルマの『そばにいるね』のカバー曲『永遠在身邊』(中国語バージョン)を歌う前、AISAは「台湾のみんなが日本を応援しています。忘れないで下さいね」と日本のファンにあたたかいメッセージを贈った。入場時にお揃いのブルーのペンライトが配られたのだが、『永遠在身邊』を歌っている間、会場にいる全員がこのペンライトを左右に振っていて、本当にきれいだった。その光景を見て胸がいっぱいになったのか、AISAが途中で涙ぐむシーンも。会場中がやさしい気持ちで包まれた。
そして、お待ちかね、潘[王韋]柏(ウィルバー・パン)のステージに!意外だが、実は今回が日本初ライブというウィルバー。この日を楽しみにしていたファンも多く、ウィルバーが登場するなり会場からは大きな歓声が!しかも、登場の仕方がカッコいい。ダンサーが先に登場し、「次は誰の番だろう」とファンがドキドキしていると、なんと舞台中央の扉が開きウィルバー登場。黒のスーツにサングラスで、目は見えないのだが、たまに見せる笑顔がとってもキュート。歌とダンスのレベルの高さにも驚いたが、ファンとのかけあいなど、自分をどう見せるか、そしてファンの人達をどう楽しませるかを知り尽くしている最高のパフォーマンスだった。MCは基本的には英語だったのだが、きっとこの日のために覚えてきてくれたと思われる日本語も披露。「頑張って!JAPAN!」とエールを送った。
続いて、羅志祥(ショウ・ルオ)が登場。ひときわ大きな歓声に、改めてショウの人気の高さを再確認、思わず「これじゃあ次のVANNESS(ヴァネス・ウー)が出にくいのでは!?」と心配になってしまうほどの熱気だった。また、日本語が上手なことで知られているショウだが、今回もMCの時間を長く取り、“芸人”級のトークで会場を盛り上げた。「今日、僕を見るのがはじめての人?」と尋ね、何名かが手を上げると、「多いな、…やべ」と焦ってみせたり。「僕のドラマ観たことある人?」と尋ねると、今度は多くの人が手を上げたのを見て、「『ホット・ショット』とか?」と聞き、会場から「ある~!」と元気良く返事が返ってくると「絶対、ジェリー(・イェン)でしょう。いや、絶対ジェリーでしょう」とすねてみせたり。また、ヴァネスのファンを見つけては、「ヴァネスのファン?…いじめ?」と舞台袖で待機しているヴァネスにいきなり声をかけてみたり…。極めつけは、ラストの1曲『Twinkle』。この曲は、ショウがファン全員に振り付けを教えてから歌うのが恒例なのだが、座ってメモをしている記者を見つけたようで、「なんで座ってるの?…え?記者?…いや、そんなの関係ないよ。立って!立って!記者の人もみんな立って!」とプレス席にいる人全員を巻き込み、振り付け指導開始。曲が流れ始めると、プレス関係者も立ち上がり、ノリノリのショウ君ショータイム!とにかく笑いっぱなしの楽しいひと時だった。
そして、いよいよトリのVANNESS(ヴァネス・ウー)!羅志祥(ショウ・ルオ)のステージで、「もう十分すぎるほど贅沢な時間を過ごせた。ああ今日はここに来れて本当に良かった、幸せだ!」と本気で思うくらい盛り上がったため、ヴァネスはやりにくいのではないかと思っていたのだが、ヴァネスがステージに姿を見せたその瞬間、空気がガラリとまた変わり、会場からは悲鳴に近い熱狂的な「ヴァネス!」コールが巻き起こった。今度は、倒れるファンが出てくるんじゃないか…と心配になってくるほど。オーラがとにかく違うのだ。まさに真のスーパースター。カッコいいだけじゃなく、見る者を虜にする不思議な美しさがヴァネスにはあるのだ。『Soldier』『Reason』と日本語の曲が続き、切れのあるダンスパフォーマンスで会場を魅了。そして、3曲目の『love will come』が終わると、舞台のスクリーンには、これまで日本で行われたヴァネスの握手会やサイン会など、懐かしい映像が次々と流れ、これまでヴァネスと日本のファンが一緒に歩いてきた道のりを振り返った。
最後に、ヴァネスが通訳を介して英語で日本のファンにメッセージを贈った。「すみませんが、客席にも照明をつけてもらえませんか?」とスタッフの方に落ち着いた口調でお願いし、会場全体が明るくなると、今日ここに来たファン一人ひとりの顔を確かめるかのように、ゆっくりと、1階席だけでなく、2階席、3階席のほうまで見渡しながら、大震災に見舞われた日本が元気を取り戻しますようにと、日本のために祈りを捧げてくれた。
写真提供:エイベックス・ライブ・クリエイティブ㈱
取材:鈴木 基子