中華圏屈指の実力派シンガー、張惠妹(アーメイ)が来日。4月18日(日)に東京・赤坂BLITZにて、「2010阿密特・張惠妹世界巡廻演唱会~2010 AMIT/A-Mei LIVE in JAPAN~」を開催した。
台湾先住民プユマ族出身のアーメイは、1996年のデビューと同時に大成功を収め、2ndアルバム『BAD BOY』は台湾のみで135万枚売り上げを記録、そして2002年にTIME誌アジア版の「アジアのヒーロー」25人に選出されるなど、台湾はもとより世界各国で老若男女問わず愛されるスーパースターの座を不動のものにした。
「アジアの歌姫」「台湾の誇り」と称されるアーメイが、デビュー13年を経て新たな挑戦をはじめた。「マーケットにとらわれず、好きな音楽を自由に表現する」。そのために生まれたのが、分身「阿密特(アーメイのプユマ族名)」だ。そして、これまでのアーメイとは全く異なる音楽スタイルを追求し完成したアルバム『阿密特/張惠妹 意識專輯』を09年に葉表。今回のコンサートも、分身「阿密特」として開催した。
17時から公演開始というのに、1時間前の16時には会場付近はすでに多くのファンで賑わっていた。年齢層はやはり70年代の方が多い様子。通常は万人単位の大型ライブをパワフルに展開するアーメイだが、今回の来日公演においては千人程度の屋内会場で開催。これまでにない近さでアーメイの魅力を感じることができるということもあってか、遠方からはるばるやってきたファンの方も多いようで、台湾・香港・中国本土の言葉が飛び交い、一瞬東京にいるということを忘れてしまいそうだった。
音楽がなり、アーメイが舞台に登場すると、会場は熱狂と興奮に包まれた。肩の部分が角のように尖っているユニークなデザインの黒い革ジャン×とってもセクシーな豹柄のフリルスカート×ゴールドのラメ入りのブラックストッキング×豹柄ブーツという、パンチがきいたデザインの中に女性らしさを感じるファッションで登場したアーメイ。今年の夏には38歳の誕生日をむかえるというのに、この抜群のプロポーションとパワーには本当に感心してしまう。イントロは『AMIT』、台湾の民族風音楽からスタートし、『当我開始偸偸的想[イ尓]』『維多利亜的秘密』でキレのあるダンスを披露、4曲目の『分生』はバラードでしっとりと歌い上げた。約2時間40分にわたる公演では、アミトの新曲に加え、アーメイの代表曲『我可以抱[イ尓][口馬]』『趂早』『哭不出来』『三天三夜』を披露したほか、アーメイ自身が大好きだという日本の名曲『涙そうそう』『壊れかけのRadio』『天城越え』を見事な日本語で歌い上げた。
これまでは主に中華圏で活躍するミュージシャンと共演してきたアーメイだが、今回は趣をがらりと変え、日本のミュージシャンたちと共に新しい「アミト」の音楽を創り出したのも特筆すべき点だ。また、ギタリストには、世界的バンド「メガデス」の元ギタリストで、現在は日本を拠点に活動しているマーティ・フリードマンの姿も。アミト&マーティの存在感溢れるパフォーマンスで、会場は大いに沸いた。
「歌うために生きる、音楽のために生まれる」。今回はこんなアミト・アーメイの素顔が見られるコンサートだった。
取材:鈴木 基子 撮影:Akira Jiang